【共同研究テーマ】 『カラオケが認知症に及ぼす効果』
【研究内容】
三重大学医学部附属病院で軽度認知症患者に対し、三重大学(医学部、教育学部)が作成したカラオケを使った歌唱療法プログラムに基づき、半年間の歌唱療法を実施。
三重大学医学部は、失語症および認知症の検査として世界中で広く利用されている神経心理検査『レーヴン色彩マトリシス検査(RCPM)』の結果を歌唱療法の実施前後で比較することで、本療法が認知症の進行を抑止する効果について検証しました。
1.臨床試験方法と結果
家庭では1週間に3回程度、家庭用通信カラオケを使用して発声・歌唱の練習を行い、また1週間に1回は三重大学医学部附属病院で歌唱療法プログラムに基づいて、同時に患者3名(図2Pt1~Pt3)に対して歌唱療法を行ないました。
結果、実施前後で図2のような傾向(※1参照)がみられ、また介護者からの聞き取り調査では、本療法を半年間実施することにより、被験者の物事を実行することに対する意欲や注意の改善が促されたとの回答がありました。
※1 「レーヴン色彩マトリシス検査(RCPM)」:標準図案の欠如部に合致するものを6つの選択図案の中から1つだけ受検者に選ばせる検査。RCPM_score(得点)は合計数値が高い方が良好、RCPM_time(所要時間)は短い方が良好な結果となります。